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税務調査でお困りの方
税務調査を受ける。このことに、多くの方は非常に不安な気持ちをもたれると思います。

 悪いことをしていなくけど、重箱の隅をつつかれて税金を持っていかれるんじゃないか。
 難しいことはわからないし、ひどいことをいわれたらどうしよう
 税務調査とは、どういったものなのでしょうか


税務調査の考え方
1 日本国憲法から税務調査のあり方を理解してください。
 日本国民は、平和で福祉の充実した国をつくるために三つの義務があることを憲法で定めました。勤勉、勤労、納税です。国民一人ひとりが学び、働き、そして納税をすることでこの国を支えていこうと決めたのです。

 もちろん、納税にはルールがあります。租税法律主義という原則があり、法律に定められたルール以上に納税を求められることはありません。
 逆に法律にあっていなかったり計算間違いなどがあると、不足する税金を払わないといけません。すべての国民が、このルールに従って納税しているかを調べるのが税務調査です。

 しかし、税務調査は個人のプライバシーに深く関わる仕事です。おのずと、税務調査にはルールがあります。このルールを無視して税務調査を行うことは、人権侵害になります。

 2 なぜ、人権侵害の税務調査が行われるのか
 多くの税務職員は正義感が強くまじめな職員です。
 しかし、なぜ、税務職員の中に人権侵害をひきおこす職員がいるのでしょうか。

第一に、人権や法理論に勉強不足で、人権感覚が欠如した職員がいるからです。
 勉強を怠った職員は思い込み調査を行なう場合があります。本人はおかしいと思っていても上司が思い込みをする場合があります。この様な場合に人権を無視した高圧的な態度で、時には恐喝かと思えるような言動で調査を行う担当官もいます。納税者はお金を払えば開放されるので、税金を払って終わらせたいと思います。
 このような結果に導く職員は若い職員に見られる傾向です。
 一面では正義感が強く、犯罪者と思い込んで調査してしまいます。任意調査とは犯罪捜査でないことは明らかなのですが、勘違いしている職員が意外に多くいます。
 事実に反する納税をすることで、税務職員のいやがらせを回避したいと思うのです。

第二に、公務員は成果主義的評価制度が導入され、人事評価の前に成績を上げようとします。成績のために無理な税務調査を行なう場合があります。場合によっては納税者を陥れて、成績に結び付けようとします。
 このため、成績評価時期の前に、無理な税務調査で「脱税」をでっち上げます。その結果、成績優秀で表彰され、評価が上がるのです。
 しかし、無茶な税務調査のため、納税者から異議がでます。別の担当者が調べると、無茶な部分の税額の取り消しがされます。
 その結果、納税者も異議担当の税務職員はいやな気分になりますが、当の担当者は請求優秀な結果を残せるのです。このような人事評価をいまだにやっているから、冤罪が生まれるのです。
税務調査の手続きは決まっています
 税務調査に対して、国税庁は税務運営方針を作成して、その心得を定めています。
 申告納税制度を支えるために、税務職員はどのようなスタンスで調査に臨むべきなのかを訓示しています。
 しかし、かつては全職員に配られていた税務運営方針は、全職員の目に触れさせないようにしています。
  2010年年末の国会で国税通則法が改定され、いままで各税法で定められていた調査関係の法律を国税通則法に集めました。
 
強制調査と任意調査のちがい
強制調査とは、国税犯則取締法に基づき調査を行う場合で、税法に定める罰則規定を適用するための証拠調べをおこなうための権限です。査察の調査がこれにあたります。
この場合も、査察の調査のすべてが強制ではなく、強制調査ができるのは、裁判所から令状を受けて検査する場合に限られます。
さらに、人的拘束力は一切ありません。あくまで、差押などを行う権限を有するにすぎません。
これは次の理由があります。
税金の犯罪捜査とは、過去の事実に対する捜査です。つまり、証拠が隠蔽されないように、証拠となる事実を差し押さえる必要があります。ですから、「モノ」を差し押さえるための強制調査権限が必要なのです。では、人的拘束=逮捕権はというと、これはありません。もちろん、公務執行妨害行為など、強制調査を妨害するなどの行為があれば逮捕される場合があります。
ただ、検察官が証拠隠滅の恐れがあるからと、逮捕拘留を判断することはあります。この場合も、査察官には逮捕権限はありません。つまり、強制調査といえども、基本的人権は配慮されなくてはならないのです。
 過去において、査察調査は全て強制調査であると誤認して、質問顛末書を書かされた事件を担当しました。質問顛末書に応じる義務は一切ないのですが、強制調査の当日、査察の書いたシナリオどおりの質問顛末書に署名押印しないと強制調査は終わらないと査察官が嘘をついて、虚偽の質問顛末書を採取された事件がありました。人権侵害に敏感な感覚を税理士はもたなくてはなりません。


任意調査とは、税法の基準に適した税務申告をしているかどうかを確認するため、税務職員が質問検査権に基づいて行う調査です。
基本的に、税務申告が正しいかどうか、国民として税務職員に説明する義務はあると考えます。それは、公平に税負担がなされているか、誤った申告をしてないか。それをどこかでチェックしなければ、公平は保てません。憲法の「納税の義務」の要請に応じた国民の義務と考えます。
 その点について国税庁が昭和51年に発行した税務運営方針によれば、「調査と指導の一体化」をめざし、調査を通じて今後は適正申告を行なうための指導に力点をおくことを主眼にしています。
 つまり、任意調査とは、適正申告のために国民を指導する場であるわけです。
 指導の中には、正直に申告した人との差をつけるために、懲罰的に行政罰である重加算税をかけることもあります。

 実際に税務調査を受ける場合は、営業の邪魔にならないような時間と場所で税務調査を受ければよいのです。